マネージャーが一番最初にするべき「心理的安全」の構築

心理的安全。あなたはこの言葉を聞いたことがあるだろうか。

社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。

これはGoogleが取り組んだ、生産性向上のためのプロジェクトの結果だ。
グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ(小林 雅一) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)


チームの中で、気兼ねなく安心して発言や行動できるような心理的な不安がない状態を心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼びます。

成功するチームにあるものは、「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったマインドセットでした。

たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。


それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要なのだという。


つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵なのだという。

ですから、マネージャーが一番最初に取り組むべきことは、チーム内の「心理的安全」を高めることです。

いかにして、心理的安全を築くか?

心理的安全を築くには、前提として「信頼し合える人間関係」が大切だと考えます。そして、信頼関係を構築するのに欠かせないのが「日々のコミュニケーション」です。

チームの中でどんなコミュニケーションをとるか?によって信頼関係は大きく変わってくるでしょう。日々のコミュニケーションを取るうえで大切なポイントが2つあります。

それは、
・お互いの価値観を共有すること
・相手を信頼しようとするマインドを持つこと
です。

お互いの価値観を共有すること

メンバーとの信頼関係を構築するには、今日何をしたとか、どこに行ったなどの”事実”の話ではなく、なぜそうしたのか??というような、相手の価値観・モチベーションを知る質問を心がけることが大切だと思います。

相手はなぜその行動を選択したのか、それを通じて何を成し遂げたいのかという質問は、一歩レベルが進んだコミュニケーションになります。

相手を信頼しようとするマインドを持つこと

脳科学的な「幸せ」のつかみ方 - 成長思考この記事にも書きましたが、人間は自分に興味を持ってくれる人を信頼するように出来ています。

この人を信頼しているというマインドを持つと、前頭前野が活発になり、自分の脳が活性化します。そうすることで、相手の脳にも影響し、オキシトシンという脳内物質が放出されます。その物質の作用で相手は快感を得て、人を信頼するようになります。


ですから、先に信頼を持つことによって自分の脳を活性化させ、価値観を知る質問を多く発し「相手は何を考え、どう思っているのか?」ということを真剣に向き合って聞くという姿勢が「信頼関係」を構築する最善の方法です。



そして信頼関係構築は一回では終わりません。ひとくくりに信頼といっても、当然のことながら信頼にも質があります。だからこそ、信頼の積み重ねが必要です。そのために、日々のコミュニケーションをいかに多く作り出し、相手に向き合い続けるということが、結果を出すチームには必要な要素だと思います。


すべてを左右する「質問力」

ここまでの話で、コミュニケーションが大切だということが分かったと思います。コミュニケーションが大切なんていうことは、生きているうちに幾度となく耳にするフレーズでしょう。

しかし、コミュニケーション能力をより高めようと努力する人はあまりに少ないと思います。
やはり、大切なのはわかってるんだけど、具体的なアクションとしてどうすればいいのかが分からない場合が多いのではないでしょうか。


そこで重要なのが、「質問力」です。
近頃では、質問力に関する本も数多く出版されているので、見覚えがある方も多いでしょう。

コミュニケーションが大切だと言われたが、何を話せばいいのか分からない。
こんな悩みを持っている人は多いでしょう。


しかし、自分の興味がある分野や、好きなこと、趣味の話になると急に話せることは多くなるはずです。

ですから、逆に「相手が話しやすいことを聴く」。これだけで、会話が生まれる確率が高くなるでしょう。


(NLPの説明)


このようにして、相手の価値観を知る質問をする力・それを上手に聞く力を意識的に身につけていくようにチームメンバーのマインドセットを変えることがマネージャーの役割だと考えます。

その上で、お互いが気遣い・共感・理解をもってコミュニケーションをするような文化を創ることが、マネージャーの責任だと思います。

マネージャーに求められる理想像

マネージャーの理想像とはなんでしょうか?

・相談しやすい雰囲気
・課題や方針を明確にする
・責任感が強い
・指導力、育成力がある
etc....

人によって色々な理想像があると思います。
大切なのは、自分が目指す理想像を具体的にイメージし目標として掲げることです。

理想が分からない場合は、自分ならどういう上司を信頼したいと思うか?を考えたり、部下やチームメンバーに聞いてみるのもありだと思います。


意見交換しやすい環境を実現するために

意見交換しやすい環境を実現するためには、前提としてチームメンバーが信頼関係を構築することが欠かせないという話をしてきました。

信頼関係という土台の上になりたつのが、本記事のテーマである「心理的安全」です。

日本人は外国と比べたときに、とくに自分の意見を言わない風潮があります。これは日本の教育上、仕方のないことです。

マネージャーはチームメンバーのこのようなマインドセットも変えていく必要があります。



自分の意見を言わない原因は、「意見を言ったときの他人からの目線が恥ずかしい」ということにだと思います。
だからこそ、お互いが気遣い・共感・理解をもってコミュニケーションをするような文化が必要なのです。


意見を言って事業を伸ばす、現状の問題点洗い出す、メンバーに違う視点を与える。こうした行動が結果をださなくても、それをしようとした・発言したこと自体が価値だと、みんなが思うこと。そして発言をしない理由をなくすこと。



そして、全員がリーダーシップをもって意見を交わせるようにチームビルディングをすることが重要です。
人間は違いから学びを得ます。みんな一人一人価値観が違うので、違う意見をもつことが多いでしょう。

それを言葉にして、チームに伝えること。そしてみんなが違う意見を持ってるからこそ出てくる新しい意見を探すこと。


このような、成長スパイラルをチームに創り上げることができるマネージャーは、必然的に結果がついてくることでしょう。